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~夏季号~ I, Daniel Blake (私は、ダニエル・ブレイク)       

2019年07月01日

 2019年7月1日

この映画を3回見た。

この映画は3年前の2016年・第69回カンヌ国際映画祭で、2度目の最高賞パルムドールを受賞したイギリスの巨匠ケン・ローチ監督の作品。

イギリスの複雑な社会保障制度に振り回され、貧困という現実に直面しながらも助け合って生きる人びとの姿が描かれている。

物語はこうだ。

大工として働いていたダニエル・ブレイクは心臓に病を患い、医者から仕事を止められ、国からの援助を受けようとしたが、複雑で硬直した制度に戸惑い、援助を受けることができないでいた。

ある時、シングルマザーのケイティと2人の子どもの家族を助けたことから、ダニエルはケイティの家族と絆を深めていく。

しかし、そんなダニエルとケイティたちは、厳しい現実によって徐々に追い詰められていくようになる…。

~きちんと税金を納め真面目に生きてきた男が病気になったとたん、なぜこんな仕打ちを受けなければいけないのか。女が一人で子育てしなければいけない家族が、なぜ苦しみ路頭に迷わなければいけないのか。国の支援とはいったい何のために、誰のためにあるのだろうか~。

社会派名監督・ケン・ローチが、鋭い視線で、理不尽な不合理にメスを入れたこの映画は、観る者に多くの示唆を与えた。

日本でも、どこでも、起こりうる問題なのだから。

  

この映画のメッセージは、急死したダニエルの葬儀の場面でケイティが読みあげた声明文に要約されている。

I am not a client, a customer, nor a service user.

つまり、 私は依頼者ではない。

顧客でもなければサービス利用者でもない。

私は怠け者ではない。

たかり屋でもなければ物乞いでも泥棒でもない。

私は国民保険番号ではない。

払うべきものは払ってきた。

一銭の不足もなく。

そのことに誇りを持っている。

私はへつらって敬礼したりしないが、隣人の目をちゃんとみているし、出来る限り手を貸す。

私は、施しは受けないし、求めようとも思わない。

私の名前はダニエル・ブレイク。

私は人間だ。

犬ではない。

したがって、私は自分の権利を要求する。

私はあなた方に敬意をもった処遇を求める。

私、ダニエル・ブレイクは一市民である。

それ以上でも、それ以下でもない。

ありがとう。

I, Daniel Blake, am a citizen, nothing more and nothing less. Thank you.

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