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象の耳 夏季号…墨子

2025年07月01日

2025年7月1日

墨子諸子百家の一つ、墨家の祖となった人物でB.C.500年前後ごろ、孔子と同じ国(山東省)に生まれた思想家。

墨子は孔子の仁の思想をさらにすすめ、利己主義や家族愛、郷土愛、国家愛などの差別的な愛を捨てて、兼愛といわれる普遍的な愛を説いた。

またのちに非攻とよばれる戦争を、社会の財貨を破壊するものとして否定した。

兼愛とは、この地球に住む人々が互いを尊敬し互いを思いやり愛し合って平穏な社会生活を営むこと。

そうすれば自己目的のための略奪、侵略、人が人を殺し合う殺伐とした社会は生まれない、つまり非攻を説いた。

人の世は平和のために皆が努力することこそ一番であると説いた。

人からモノを盗み、人を殺せば厳しく罰せられるのに、他国を侵略し大ぜいを殺せば英雄扱いされるなどもってのほかである。

いかなる戦争にも正義はまったくないと断定した。

儒教は仁を重んじ、仁の理念によって国を治めなければならないと説いたが、春秋戦国時代の諸侯は互いに覇を争い強者が弱者を併呑するという事態が続いた。

なぜこのようなことが起こるのか考えた墨子は、人々が互いに自分の利をはかる利己主義を捨てて、博く兼愛をこころがける多利・博愛主義をとるべきだと説いた。

墨子は人類愛をもとにした国民国家を想定していたのであろう。

そして力による解決、人が人を殺し合う、殺伐で残虐な戦争を否定して、非戦=非攻という平和主義に到達したのである。

いまこそ墨子の思想を学び直さなければならない。

とくに、ネタニヤフやトランプ、プーチンはじめ、それぞれが指導者と定めた政治家が狂ってしまい、取り返しのつかない事態になる前に、そう思う。

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