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芸術鑑賞・嘉穂東高校のみなさん、ありがとう!

2016年10月29日

続いて10月26日(水)は福岡県立嘉穂東高等学校の芸術鑑賞でした。

前日の岡山県立水島工業高等学校の公演を終えた私たちは、一路山陽道を快適に南下しました。

とはいえ北九州市のホテルに着いたのは午後11時過ぎ。

途中休憩をとったり、遊んだり、まるで小学生の頃の道草のような行程でした。

というのも弊社には上から厳命された方針があるのです。

① 高速道の行程では法定速度を守り2時間走行すれば必ず休憩をとること。

② 飲み物は十分に用意し、食事はゆっくり済ませるよう行程に配慮すること。

③ 途中に名所旧跡があれば立ち寄り、出演者やスタッフのみなさんと参観する。

とくに外国の出演者のみなさんに日本の文化を楽しませること。

ホテルに深夜到着したみなさんでしたが、ぐっすり眠ったせいか元気もりもり。

朝食もしっかりとって会場のある飯塚市へ向かいました。

 

会場はイイズカコスモスコモン。

福岡県筑豊地方の中核をなす立派な文化施設です。

弊社は自治体公演などで過去、コスモスコモンを何度も利用させてもらった経験もあり、この会場は慣れています。

不思議ですね。慣れた会場に着き、舞台を目にすると、なぜか故郷の我が家に帰ってきたような気がするんですね。

ほっとするというか、懐かしいというか。

そんなコスモンコモンに定刻通り、嘉穂東高校の生徒のみなさんが入場してきました。

 

嘉穂東高校は炭鉱王として知られた伊藤傳右衛門氏の建設費用及び永久の経費寄附により嘉穂郡立技芸女学校として設立されたとあります。

1910年(明治43年)のことですから、今年で創立106年を数える伝統校。

今でも男子生徒より女子生徒が多いのが特徴です。

ということは、素直な女生徒の歓声で公演が盛り上がるということ。

まして演目が「中国文化芸術夢公演」ですからそれはもう、大変な喜びようと、深い感動を醸し出すことができました。

 

定刻より5分前倒しの開演。

早くも手拍子が飛び出しています。

生徒のみなさんのワクワクした喜びが、まるで膨らませすぎた風船のように、破裂寸前まで高まっているようです。

ワァー、キャー、ハッハッハー、シーン…、キャー、ワァー、シーン…、ハッハッハー、イェーイ…。

生徒のみなさんは実に素直です。

これだけ盛り上がるとスタッフも負けていられません。

照明担当は”遊びすぎるなよ”と言いたいくらいライトの点滅で盛り上げますし、音響担当は”自在に音を操り”興奮をマックスに導きます。

出演者はといえば、緊張するはずの出番前などどこ吹く風、リズムに合わせて体を動かしテンションを高めていました。

いやはや嘉穂東高校のみなさんと出演者、スタッフが一体となり、とても充実した2時間を過ごすことができました。

 

終演後、ご担当の先生方とともに、校長先生がわざわざご挨拶に来られました。

そしてお土産として飯塚市の銘菓をたくさんいただきました。

帰路の車内では今度は出演者がワァー、キャー、ハッハッハーの繰り返し。

よほど嬉しくおいしかったのでしょう。

早口の中国語をまくしたてながら、興味津々、おいしいお菓子にパクついていました。

 

ところで嘉穂東高校には渡部恒明氏という偉大な先輩がいます。

同校を訪問した際、掲示された同氏のプロフィールを拝見して感銘を受けました。

渡部恒明氏は家業を手伝いながら嘉穂東高校(定時制)に通い、1957年に卒業。

山登りは17歳から始め、上京して、トラック運転手として働きながら、休日は日本アルプス踏破を目指したそうです。

やがて1965年29歳のとき、アルプス山脈のマッターホルン北壁の日本人初登頂に成功しました。

その10日後、今度はアイガー北壁に日本人初登頂を目指してアタック。

しかし、頂上まであと300mというところで、不運にも落石に遭い墜落死となりました。

その勇気ある登山家・渡部恒明氏が遺した言葉が

「一人では何もできない。しかし誰かが始めなければならない。」

偉大な先輩の進取の精神が、嘉穂東高校には今も連綿と生き続けているのです。

 

楽しかった嘉穂東高等学校芸術鑑賞会。

このような機会を設けてくださったご担当のH先生を始め、T校長先生、最初に弊社の作品を推奨してくださったN先生や、その後ご連絡をいただいたH先生、そして多くの先生方や保護者の方々に心から御礼申し上げます。

なにより、ありがとう、ほんとうにありがとう嘉穂東高校のみなさん!

 

ところでこのブログを発見してくださった方は、ぜひ公演の感想や印象を書き込んでくださいね。生徒のみなさんの率直なご意見を教科書に、私たちも日々勉強しますから。

それではまたお会いしましょう。

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