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芸術鑑賞会 福翔高等学校のみなさん、ありがとう!

2022年11月07日

11月1日(火)は福岡市立福翔高等学校の芸術鑑賞だった。会場は同校講堂。演目は「中国文化芸術夢公演」。

コロナ禍で危惧された公演回数も結局1日1回公演で収まった。

福翔高校では、「アジアン芸術夢公演」を皮切りに、「中国文化芸術夢公演」は今回で2回目。

計3回のご採用をいただき感謝している。

ところで、今年は日中国交正常化50周年記念の佳節。

来年は、日中平和友好条約締結45周年記念の慶事にあたるが、はたして国際交流として日中両国の友好関係は更に盛り上がっているのか?

残念ながら、現状は“微妙”であると言わざるを得ない。

思い起こせば、1972年の日中国交正常化交渉。

時の総理・周恩来は、日中国交回復を日中国交正常化という、正常化の表現にこだわった。

理由は、日中には文化芸術を主とした何千年という交流があるが、わずか一時期、互いに不幸な歴史があった。

この不幸な歴史は実に不正常だった。

だからいまこそ正常に戻すべき。

したがって日中との国交は“正常化”なのである。

これに対し、日本の時の総理・田中角栄は、まったく同感と応えた。

その後、日中平和友好条約の締結交渉をめぐり、当時は中ソ対立が激化、中国は対ソ連を牽制するために「反覇権」条項を日中平和条約に入れるよう要求、北方領土問題を抱え、ソ連を刺激したくない日本との交渉は難航した。

日中関係の改善に尽力した周恩来総理はすでに闘病中であり、毛沢東主席も老衰がすすみ、やがてともに死去。

中国では文化大革命が勃発した。四人組の暗躍、四五天安門事件。

日本はロッキード事件が発覚。

総選挙で自民党敗退など混乱の時を経て中国では鄧小平が、日本では福田赳夫が登場。

幾多の交渉を経て1978年、日中平和友好条約が締結されたのである。

実に国交正常化から6年の歳月を要していた。

その日中平和友好条約の第三条に、「両締約国は、善隣友好の精神に基づき、かつ、平等及び互恵並びに内政に対する相互不干渉の原則に従い、両国間の経済関係及び文化関係の一層の発展並びに両国民の交流の促進のために努力する。」がある。

私たちは、この精神を遵守しているに過ぎないのである。

しかるに昨今、中国を指して“近くて遠い国”などという表現で、まるで日中友好関係が破綻するようなことをメディアなどで煽る評論専門家?も出てきた。

破綻するには条約を破棄しなければならない。

そんな無責任なことを…。こんな考え方も含め、日中両国友好関係の現状は、今、微妙なのである。

閑話休題。

もし、こんな風潮や史実が知りたければ、あるいは中国の歴史や文化や芸術に興味があれば、少なくても、芸術鑑賞でみた中国雑技はすごいと思うのなら、図書館に行きましょう。

1人でも10人でもよい、生徒のみなさん、あなたの目でみて、確かめてみましょう。そして一緒に考えましょう。

友好とは何か、平和とは何か、幸いなことにお隣にこんなドラマチックな大きな国があるんですから。

政治、経済、外交、切磋琢磨大いに結構。

しかし、その対極にある歴史や文化や芸術は、何千年もの時を経て創り上げられてきたし、私たち日本人の精神形成にも影響を与えてきたと思うのですよ。

とはいっても、

私たちは生徒のみなさんに、日中友好を押し付けようとは毛頭も考えていない。

今日の公演を観て、中国に興味を持ってくれれば、それでよい。

それから先のテーマは生徒のみなさん一人一人が考えてくれればよい。

キーワードは前述の日中平和友好条約の第三条にあるのは間違いないのだから。

ところで福翔高校に”人間尊重・五譲互助の精神“、”熱・意気・力で時代を拓く”と書かれた石碑があった。

118年前の第2回卒業生を称えるもので、その卒業生とは、かの出光興産の創業者・出光佐三翁。

世界を股にかけた日本が誇る実業界の雄である。

この大実業家は多くの名言を遺したことでも有名。名言にこういうくだりがある。

たんなる金儲けを目指すだけでは、真の事業とはいえない。そこには、真も善も美もない。事業も究極においては芸術である。事業には、常に普遍的な国利民福を念願した、また彼岸した真理性が望まれねばならない。出光の事業は、だれが見ても美しからねばならぬ。醜悪なる、たんなる金儲けであってはならぬ。」

福翔高校のみなさんは偉大な卒業生を手本にできる優越性を持っていて羨ましいとさえ思った。

さて開催数日前、ご担当のT先生から

「生徒たちの理解を深めるために、今回の芸術鑑賞の内容を簡潔に示すポスターみたいなものはないですか?」

とのご要望をいただいた。

さっそく作成。

各教室に貼られたポスターを見て、図書館に飛び込んだ生徒がいるかもしれない。

まず、知ることから興味は湧き出す。

その興味は育てていきたいものである。

という、そんな私たちの思いを、みごとに受け留めてくれましたね、福翔高校の生徒のみなさんは。

おかげさまで公演は大成功、大変な盛り上がりをみせました。

フィナーレ後の全体指導で、マイクを握ったT先生が生徒たちに語りかけた。

「コロナ禍で大変な折り、中国雑技団のみなさんが、とても素晴らしい演技を見せてくれた。勇気と感動をいただいた。緞帳は締まっているが,改めてみんなで御礼を言いましょう。」

すかさず私たちは緞帳を上げた。

どよめきと歓声と笑顔。

「全員起立!礼!ありがとうございました!」

「こちらこそありがとうございました!みなさん、再見!」

生徒のみなさんと出演者と先生方と私たちスタッフの息がぴったりあった、とても嬉しい公演だった。

楽しかった福岡市立福翔高等学校芸術鑑賞会。

このような機会を設けてくださったご担当のT先生やS先生をはじめ、多くの先生方、保護者の方々に心から御礼申し上げます。

そしてありがとう、ほんとうにありがとう福翔高等学校のみなさん!

ところでこのブログを発見してくださった方は、ぜひ公演の感想や印象を書き込んでくださいね。

生徒のみなさんの率直なご意見を教科書に、私たちも日々勉強しますから。

また㈱雅夢のフェイスブックもご参照ください。

この道一筋、まっすぐ、雅夢(がむ)しゃらに。

それではまた3年後お会いしましょう。

(完)

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