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芸術鑑賞・鹿屋中央高校・アジアン芸術夢公演

2015年11月16日

その計画は昨年11月から始まっていた。

昨年11月20日。私たちは鹿児島県鹿屋市を訪れていた。鹿屋中央高校の芸術鑑賞会「中国文化芸術夢公演」を承っていたからである。とくにこの日は午前中が鹿屋中央高校、そして午後からは他校に移動しての1日2か所の公演だった。入念な事前打ち合わせ通り、それぞれの体育館2か所の仕込みも万全に終えて、私たちは開演を迎えた。おかげで大好評のうちに芸術鑑賞公演は終了。 午後の他校公演に備えて早立ちをした出演者やスタッフを見送り、御礼のご挨拶をさせていただくために校長室を訪ねた。

 

ご挨拶にお伺いしたM理事長・校長先生は、とてもフランクで博識なお方。いろいろと貴重なお話を承り、充実した時間を過ごすことができた。その中で弊社の二大作品である「アジアン芸術夢公演」の話にも花が咲いた。音楽にとても造詣が深いM理事長・校長先生は、クラシックやジャズはもとより、アジアの民族楽器、たとえばネパールのバーンスリやタブラ、韓国のチャングゥなどの楽器の生い立ちや、その背景についても熱い思いを語ってくださった。 なぜ弊社が中国やアジアにこだわるのか、私どものつたない説明にも、M理事長・校長先生は、微笑みながら理解を寄せ、深く賛同してくださった。

 

明けて本年4月25日。ネパールで未曽有の大地震が起きた。ネパールの南北の狭いところは東京から静岡間くらいの距離しかない。縦に長い日本列島と比べて、この大地震の衝撃がいかに激しいものであったか、想像するだけで身震いがしそうだ。大震災発生後、いたたまれずに母国ネパールに飛んだ出演者の一人は、惨状を見て愕然とし、援助の手が届きにくい山間部を回りながらお米や水を配り、同胞を励まして回った。

 

このネパール大地震には、多くの日本人が心を 痛めた。とくに4年前東日本大震災を体験した、 福島、宮城、岩手の東北三県の被災者も心を痛め た。なぜなら、東日本大震災が発生後、今日まで ネパールや韓国やモンゴルなど、アジアン芸術夢公演の主要メンバーが、時間を作ってはたびたび 東北三県に入り、ボランティアで演奏活動をしていたからである。とくにネパールの癒しの音楽は東北三県の被災者の心に休息を与えていた。

 

大地震で被災したネパールの人々を、何とか支援することができないだろうか、 ただお金を出すだけでなく、心を寄せる支援はできないものだろうか? そんなことを思い、弊社は心ある方々に手紙を書いた。その手紙を受け取り、真っ先に手を上げてくださったのが鹿屋中央高校のM理事長・校長先生だった。 その後いただいたM理事長・校長先生のアドバイスやご担当のK先生やO先生のご高配には心から感謝しなければならない。

こうして本年度11月10日、鹿屋中央高校芸術鑑賞会の作品はアジアン芸術夢公演となった。昨年に続き2年連続の公演受託である。

 

この一連の経緯をネパールの出演者に話した。黒い瞳をま っすぐ向けて、彼らは「ナマステ!」と心から感謝した。 韓国も、モンゴルも、中国も、出演者はみなこの話に感動 し、感謝した。 そんな経緯で開催された芸術鑑賞公演。彼らが心をこめて 母国の音楽を、生徒のみなさんにご披露したのは申すまで もない。

 

アジアン芸術夢公演のメッセージは、「異なる文化の理解と 尊重、そして共生し、求めるのは平和」。

 

いま鹿屋中央高校の生徒のみなさんと、アジア各国の演奏 家の心に、懸け橋がしっかりと結ばれた。地理的要因もあ り、政治・経済的には何かと、勝ったり、負けたり、儲けたり、損したりと、軋轢がささやかれるアジア各国だが、大きな目で見ると、私たちはアジア文化圏を構成するアジア民族同士。言葉や文化や肌の色は違っても、この地に暮らす人々はみな、他人を思いやる優しい心を持っているのである。音楽を愛する人の心に国境があるはずがない。 同じアジア民族として、これからも仲良く、手を取り合い、お互いを思いやり、尊重しながら、ともに生きてゆけたらすばらしいと、私たちは強く思った。

 

このような機会を与えてくださったM理事長・校長先生やY教頭先生、T教務長先生、そしてご担当のK先生、O先生、その他多くの先生方や保護者の方々に心から御礼申し上げます。 そしてありがとう、ほんとうにありがとう鹿屋中央高校のみなさん!

ところでこのブログを発見してくださった方は、ぜひ公演の感想や印象を書き込んでくださいね。生徒のみなさんの率直なご意見を教科書に、私たちも日々勉強しますから。

それではまたお会いしましょう。

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