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九州国立博物館

2014年10月17日

九州国立博物館 昨日訪れた九州国立博物館は16時過ぎというのに熱心なファン でにぎわっていた。台湾国立故宮博物院収蔵の特別展である。 話題の”豚の角煮“肉形石もそうだが、私がこの目でもっとも観た かったのは明代の倪瓚(げいさん)の筆による、かすれを生かして 静まり返った水辺の情景を描いた容膝斎図軸(ようしつさいずじく) である。倪瓚72歳の作品。 この作品は、元末明初の動乱で故郷を失い放浪生活を送った彼が、 ながらく想い続けた理想の風景でもある ときの皇帝は、この作品を手にして何を感じただろうか。忍び寄る 老いの畏れか、物欲を超越した、枯れた筆致に対する妬みか、その 心境に思いがはせるような名品であった。 右から、左から、正面から拝観し、倪瓚の筆致に魅了された私は、 しばしその場でたたずんだ。 21日からは、いよいよ馬遠(ばえん)の華燈侍宴図軸(けとうじえんずじく)が登場する。南宋宮廷絵画の第一人者といわれた馬遠の名品である。また足を運ぼう。 皇帝徽宗(きそう)が愛した汝窯(じょよう)の希少な名品といい、日ごろ時間に追われてあくせくと生きる現代人にとって、高潔な精神世界にふれることは、自分を取り戻す上で願ってもないチャンス。まだご覧になっていない方は是非、太宰府へいらっしゃるようお薦めします。

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