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芸術鑑賞会 北谷高等学校のみなさん、ありがとう!

2022年12月26日

今年最後の芸術鑑賞公演は沖縄県立北谷(ちゃたん)高等学校の「中国文化芸術夢公演」でした。

会場は沖縄市民会館大ホール。

12月も後半に入り、めっきり寒さが厳しくなったから、この際暖かい沖縄へ行こうと決めた、わけではありません。

それは年初の1月27日、北谷高校のT先生からのお電話でした。

「ガムさん、初めまして。北谷高校のTと申します。沖縄に来ることは可能ですか?」

北谷高校様からの嬉しいオファーでした。

もともと弊社は日中友好活動を旨とし、ご予算にかかわらず意気に感じて公演を承るタイプ。

まして先方からのお問合せには実現に向けて100%お応えするのをモットーとしています。

ただ沖縄では諸経費の問題もあり、2か所以上連続して公演が成り立つ場合にのみお受けしています。

今回は公演受託に際して目算があり、楽しみにしていましたが、また、やられましたね、コロナ禍に。

予定していた2か所目の公演先がコロナ禍でやむなく中止。

もう苦笑するしかありません。

まったくもって、どうします?

「もちろんこういうコロナ禍の時期だからこそやりましょう。たとえ1か所でも、楽しみに待ってくれる北谷高校の生徒のみなさんを悲しませるわけにはゆかない。だから、経費を削るところは大いに削って、しかし作品はよりすばらしいものに絶対する。みんなで知恵を出しましょう。」

知恵は絞れば湧き出すものである。

「機材は高品質ながら小型軽量に特化し、飛行機に積み込みましょう。1名20㎏までだから、手持ち荷物を削って機材優先にしましょう。ホテルもレンタカーもコストカットしましょう。ついでに次年度の営業を兼ねて一石二鳥にしましょう。」

など、など。

中には、それなら社員旅行を兼ねましょうというアイディアも出る始末。

こうして総勢13名がこの冬一番の寒波に覆われた本土の空港を後にしたのです。

前日10時前に着いた那覇空港は真っ青な空とポカポカ陽気。

この日の最高気温21度でも沖縄県民には寒いということでした。

まさに縦に長い日本列島を実感したものです。

北谷高等学校は、東シナ海と西海岸地域を見渡せる高台に位置し、今年で開校 47年目を迎える全日制普通科の高等学校です。

公演日12月21日(水)はあいにくの雨模様となりましたが、沖縄市民会館に続々と集まってくれた生徒のみなさんは笑顔で元気。

こちらも嬉しくなります。

公演に先立ちK教頭先生からご挨拶を頂戴しました。

とても優しい語り口の先生でした。

「今年は沖縄本土復帰50周年、そして日中国交正常化50周年の佳節にあたります。ちなみに沖縄から中国の首都北京まで直線距離で1,841km。アメリカの首都ワシントンD.C.までは12,330km。とくに中国と沖縄は昔から深い交流を続けてきました。今日はお隣の国の文化や芸術を通して、あらためて中国を知り学ぶ機会にしましょう。」

まさに私たちの公演の意図を代弁してくださったような嬉しいお言葉でした。

こんなこともありましたよ。

上演中、交流の場面で真っ先に手を挙げ舞台に上がってくれたのはアメリカ人留学生Jくんでした。

彼の勇気をたたえるとともに、大役を果たしたJくんと演者の中国人Cさんは、互いを称え思わずハグし、それに日本人司会者Mと会場のみなさんが拍手を添えました。

これもまた、日・中・米の交流と対話の嬉しい形だったのではないでしょうか。

尽くすべきは交流と対話。

武器から平和は生まれません。

それでは公演の模様を思い返してみましょう。

さあ開演しました。

マスク越しながら、早くも手拍子と歓声が上がり、中には”指笛”も交じっていましたよ。

でも生徒のみなさんの鑑賞態度は立派でした。

どよめきのような歓声と、時おりのくすくす笑いと、大波のような拍手と、息を呑むような静けさと、次の瞬間にまた沸き上がるどよめきと笑顔と大拍手と。

とてもメリハリあるものでした。

このような、ハラハラ、ドキドキの現象を、昔から中国では五臓六腑が活性化するといいます。

ちなみに五臓心臓肝臓肺臓・脾臓・腎臓。

六腑大腸小腸・胃・胆・膀胱三焦のことですが、三焦は観念的であり、日本では五臓五腑と表現、つまり内臓が活性化され、元気になり、心が感激し、すべてが前向きになる状態を言います。

まさに北谷高校の生徒のみなさんは五臓六腑にしみわたる感動をお土産にしたのではないでしょうか。

正解でした。

今回は京劇を中心に、雑技でワキを固めるというプログラムを組んでみました。

ラインアップした京劇役者は、いま日本で考えられる最高の名優たち。

その卓越した演技力と所作、円熟した風格は特筆ものです。

まず京劇とは何か?

京劇を語れば一冊の本ができるほど、その内容は奥深いものですが、興味がある生徒たちには今後図書館で調べてもらうとして、今回は女性司会者のMが概略をみごとに約4分間でまとめ、PC担当のKがスライドで補いました。

演目は「孫悟空大戦白骨精」。

……西へ、西へ、旅を続ける三蔵法師一行。尊い法師の肉を喰らえば不老不死になると、妖怪・白骨精が若い娘に化け一行に襲い掛かります。それを見破ったのが孫悟空。こうして両者の激しい戦いが始まります。はたして勝者は?……。

冒頭の案内で女性司会者のMは会場の生徒のみなさんにこんなお願いをしていました。

「京劇を楽しむには、かけ声も必要です。それは、ずばり好(ハオ)。初めて京劇を鑑賞される方は、どの場面で拍手をしたら良いのか分からないという感想も聞きますが、それは、たとえば歌の場面では、声高らかに歌い上げているとき、立ち回りでは、打楽器のリズムにあわせて最後のストップモ-ション、いわゆる“みえ”をきるポーズのときが見せ場であり、『好(ハオ)』のかけ声や拍手のタイミングになります。」

本番中、会場からは好!(ハオ!)の掛け声がたくさん上がりましたよ。

ところで、妖怪・白骨精と孫悟空の激しい戦いの勝者はどちらですって?

もちろん“正義”が勝ちましたよ。

楽しかった沖縄県立北谷高等学校芸術鑑賞会。

このような機会を設けてくださったご担当のS先生と前任のT先生はじめ、K教頭先生や多くの先生方、保護者の方々に心から御礼申し上げます。

そしてありがとう、ほんとうにありがとう北谷高等学校のみなさん!

ところでこのブログを発見してくださった方は、ぜひ公演の感想や印象を書き込んでくださいね。

生徒のみなさんの率直なご意見を教科書に、私たちも日々勉強しますから。

また㈱雅夢のフェイスブックもご参照ください。

この道一筋、まっすぐ、雅夢(がむ)しゃらに。

それではまたお会いしましょう。

(完)

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