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芸術鑑賞会・熊本支援学校のみなさん、ありがとう!

2017年10月27日

10月24日(火)は熊本県立熊本支援学校の芸術鑑賞でした。

 

その電話は5月10日にありました。

「子どもたちに中国雑技を見せていただけないでしょうか?」

しかし、日程、ご予算ともに、とうてい無理。

丁重にお断りしたのです。

翌5月11日夜、震度4の余震が熊本を襲いました。

「またか!、子どもたちは不安で辛いだろうな。」

翌12日朝、私たちは決断しました。

「この日でよければ、公演させてください。もちろんボランティアです。子どもたちに元気になっていただきたい。」

5月10日に公演依頼のお電話をかけてくださり、また12日の電話を受けてくださったのはご担当のK先生。

K先生は即答で、

「よろしいのですか?ありがとうございます。子どもたちが喜びます!」

と声を弾ませました。

その後独断で10月24日であればという私たちの申し出に、K先生は学校行事のやりくりにご苦労を重ねながらも日程を合わせてくださいました。

6月8日、市内東区東町にある熊本支援学校高等部東町分教室をお訪ねしました。

想像通りのチャーミングなK先生と、聡明なM教頭先生が笑顔で歓迎してくださいました。

なぜか初めてお会いしたとは思えないような雰囲気でお二人の女性の先生はご親切に応対してくださいました。

とても和やかな打ち合わせの最中、思いつきで、

「中国の二胡の演奏もしましょう。当初の予定より時間が長くなりますが、ぜひさせてください。」

と申し出たところ、お二人の先生は公演時間が長くなるのは検討課題としながらも、私たちのやる気を採り上げてくださるそぶりを見せてくださいました。

こうして熊本支援学校芸術鑑賞会「中国文化芸術夢公演」はスタートしたのです。

 

そして8月10日、市内中央区出水にある本校体育館を拝見するため訪問しました。

お盆前の何かと多忙な時期にかかわらず、両先生とともにK校長先生も笑顔で応対してくださいました。

私は舞台進行者であるGと同行したのですが、いただいたK校長先生のお名刺の裏が”くまもん”であることに緊張がほぐれたものです。

K校長先生は温かいお人柄がうかがえるジェントルマンでした。

拝見した体育館は予想以上に広く、舞台が通常の高校体育館と比べ割と低かったのが特徴でした。

たぶん舞台の低さも生徒たちのことを考えて設計されているのでしょう。

この舞台の低さは、むしろ出演者と観客の垣根を取っ払う効果があるかも。

私たちには生徒のみなさんのはじける笑顔がみえるようでした。

 

思い起こせば昨年11月10日、私たちは熊本大地震の震源地・益城町の津森小学校でボランティア公演をしました。

体育館が破損して使用不可能、狭い音楽室で公演したのですが、とても良い思い出を残しています。

さて公演1週間前、ご担当のK先生と当日のタイムスケジュールなどの打ち合わせをした際、K先生が

「気になりますね。台風は大丈夫でしょうか?」

と電話口でおっしゃいました。

「大丈夫ですよ。台風は東にそれますよ。」

と回答しましたが、内心は不安でした。

まるで湖水に浮かぶ水鳥のように優雅に?ふるまっていましたが、足元はバタバタだったのです。

しかしこのような場合、私たちには経験があります。

つまり23日から24日は台風21号の影響で国内の交通機関はマヒするだろう。

いま予定している24日朝の羽田空港発熊本空港行きのJAL便をキャンセルせざるを得ない。

その場合、出演者を23日午後の便で羽田空港から新千歳空港経由で福岡空港へ到着させ、福岡空港から車で熊本へ向かう案。

もう一案は、羽田空港から韓国へ飛び、仁川や金浦空港経由で福岡空港へ到着させるという案です。

経費オーバーで大変ですが、この公演を楽しみに待っている熊本支援学校の生徒たちのことを思うとそんなことはいってられません。

とにかく何があろうとも「約束は守る」のが私たちの使命ですから。

万端の準備をし、台風21号の進路を見つめていました。

やがて願いは通じました。

予定通り熊本空港で出迎えた出演者と私たちの握手は笑顔と嬉しさに溢れていましたよ。

 

ところで公演当日、熊本支援学校へ向かう車中で出演者に話しました。

「昨年の津森小学校は1年生から6年生まで、みんな可愛い子どもたちだった。でも子どもだから、面白くなければ居眠りするし、横の友達とおしゃべりします。子どもは心が純粋なだけに、時として意地悪なんだよね。でも昨年の公演はそんなことは一切なく、子どもたちは心の底からはじけ、目を丸くして感動し、おかげで大好評でした。」

続けて、

「今回は支援学校の高等部の生徒たち。体は大人に近くなっている人もいますが、心は小学生のままの人もいます。それだけに心がとても純粋なんです。みなさんが良い公演をすればいろんな表現で喜んでくれます。その表現は画一的でない多様性なんですね。つまり個性なんですよ。貴方も私も個性があるように、みんなそれぞれ。みんな自由でみんな平等。だから人間って素晴らしいんだよね。たとえ1日かぎりでも、心から喜び、心から被災の不安を忘れてくれるよう、今日はみんな頑張りましょう!」

出演者のひとりが言いました。

「平等?そうですよね。人間はみな自由で平等なんだ。個性?そうだよね。喜んでくれるよう、頑張るよ。大丈夫、任せてください。」

おかげさまで公演は大盛況でした。

ほんとうに喜んでいただきました。

「ぼくも頑張る、わたしも頑張る。」

はじける笑顔と人懐っこい生徒のみなさんの素晴らしい表情が忘れられません。

そして生徒のみなさんや先生方の優しい眼差しが忘れられません。

逆に何倍にでも増えた「勇気」のプレゼントをいただいたのは私たちでした。

熊本支援学校の公演は、ある意味で今年もっともやりたかった公演のひとつだったかもしれません。

楽しかった熊本支援学校芸術鑑賞会。

このような機会を設けてくださったご担当のK先生やM教頭先生、そしてK校長先生をはじめ、多くの先生方や保護者の方々に心から御礼申し上げます。

そしてありがとう、ほんとうにありがとう熊本支援学校の生徒のみなさん!

 

ところでこのブログを発見してくださった方は、ぜひ公演の感想や印象を書き込んでくださいね。

生徒のみなさんの率直なご意見を教科書に、私たちも日々勉強しますから。

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それではまたお会いしましょう。

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