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芸術鑑賞・倉敷工業高校のみなさん、ありがとう!

2015年06月08日

6月2日(火)は岡山県立倉敷工業高等学校の芸術鑑賞公演でした。 倉敷工業高校は、1939年(昭和14年)に開校。機械科、電子機械科、電気科、工業化学科、ファッション技術科の5学科を擁し、モノづくり、資格取得、部活動の三本柱を打ち出す文武両道の名門校です。市民には「倉工」(くらこう)の通称で親しまれています。

また事前に同校のHPを拝見して「3つのF」の目標に接しました。つまり、

1. Fighting Spirit(進取)

2.Fair Play(公明)

3. Friendship(友情)

人間形成のために特別教育活動を重視し、クラブ 活動及び部活動などを通してとくにこの3項目を その目標とするというものでした。

この3つのF、私たちもしっかり心に刻みました。

そして学校経営目標にある、

「敢えて、二兎を追う!」

「のびのびと、おおらかに!」

とてもすばらしいスローガンだと思いました。

工業人として資格を得ても熟練がなければ、技術が 身についても人格が形成されなければ、本物のモノ は作れない。まさに中国雑技でいうバランス感覚の 尊さなのかもしれません。だから敢えて、二兎を追うのでしょうね。それも、のびのびと、おおらかに。

 

ところで“倉敷”といえば弊社に懐かしい思い出があります。 それは今から27年前。1988年(昭和63年)3月20日から8月31日まで開催された瀬戸大橋開通記念の瀬戸大橋架橋記念博覧会、通称“瀬戸大橋博’88・岡山”のこと。当時弊社は、岡山の有力百貨店であるT屋が受け持った「国際交流館」の運営に共同参画し、協力したのです。 その当時を知る者が2名、うち1名が社長です。

いまでもその思い出を社長に聞くと 「鷲羽山から観る瀬戸大橋は圧巻だった」とか、 「四国と本州がつながった画期的な事業だった」 と目を細めます。日本がうなぎ上りに活況を呈し た時期だったのでしょう。

しかしその2年後、バブルは崩壊したのですが…。

まさに良寛和尚の言う、 “散る桜 残る桜も 散る桜”だったのかもしれませんね。

 

さて倉敷市民会館で開催された倉敷工業高校芸術鑑賞公演、演目は「中国文化芸術夢公演」でした。すべての準備が終わり、いよいよ開場です。粛々と生徒のみなさんの入場が始まりました。笑顔でお迎えする私たちですが、長年この仕事をしていると会場で生徒のみなさんとふれあった際に、生徒のみなさんが何を求めているか、先生方が何を期待しているかが手に取るように分かります。時にはその期待に応えるために、急遽、開演中に1つの演目を長くしたり、逆に短く濃くしたりと調整することもあります。生徒のみなさんや先生方が公演に求め、期待する効果と、私たちが発するメッセージが融合した瞬間、それはノリノリの笑顔の連続となります。もちろんお互いに大満足の芸術鑑賞公演でした。

 

とはいえ、私どもに失敗がありました。

それは公演時間の厳守、つまり1時間37分に設定した公演時間が10分強オーバーしたことです。

プログラムで生徒のみなさんと交流する場面で予想外に 盛り上がり、時間を要したこと。演目「ダブル変面」で 出演者が張り切り過ぎて、出演時間がオーバーしたこと などが原因でした。

ご担当のY先生とお約束した公演時間は厳守しなければ ならないのですから、後半の演目をテンポアップし、 いわゆる巻いて進行しましたが、結局タイムオーバーし てしまいました。

終演後、ご担当のY先生に謝りましたが、

「いえ、いえ、かまいませんよ。とても良い内容でした」

と優しく労いのお言葉をいただき、恐縮するとともに、安堵しました。しかし心の中では悔しさがありました。どんなに公演の内容がすばらしく、生徒のみなさんが盛り上がろうと、“約束は守る”のが弊社の方針。もちろん前後5分のロスタイムは事前に了承していただいておりましたが、10分強オーバーはいただけません。

 

すべての撤収作業が終わった後、スタッフや出演者が集まり、私たちは大いに反省しました。 「今回はご担当の先生をはじめ、倉敷工業高校のみなさんが温かい拍手で赦してくださったが、たとえばこれがJRなど交通機関のタイムだったらどうなる?千人以上の生徒を引率し、無事行事を終わらせる先生方のご苦労を思えば、最高の演技を魅せるといっても、与えられた時間の枠を厳守することはプロとしてあたりまえ。何より日本人でも中国人でも人様にご迷惑をかけてはいけないし、約束は必ず守らなければならない」。頑固な社長の思いでした。

 

私たちにとっては、生徒のみなさんから大喝采を浴びた公演でしたが、大いに反省しなければならない公演でもありました。

「先生方とのお約束を誠実に履行し、ご期待以上の内容でお応えする。あたりまえのことをあたりまえに。たとえ10分強のタイムオーバーでも完璧ではない。いただく信頼こそ財産。パンフの表紙にあるだろう?“だから…ガム”、なんだよ」。一徹な社長の総括でした。

 

ところで、倉敷工業高校の生徒のみなさんの鑑賞マナーは、メリハリが効いてすばらしいと思いました。大きな歓声と拍手があると思えば、一点を注視する静寂の時、そして安堵の笑顔がこぼれるなど、中国文化芸術夢公演がもつ「起承転結」の意味がしっかり分かっているのです。おそらくこれは体育系の部活動なんかにみられる、目標や勝利に向かってゲームに集中する際の息遣い、掛け声や、応援のスタイルと似ています。ということは生徒のみなさんは、校風や先生方のご指導もあり、学校生活の中で「集中する」ことの大切さを会得しているのでしょう。この芸術鑑賞をヒントに、備えている集中力をもっともっと磨き、一段と高みをめざせば、まさに前途は洋々だと感じました。

 

ともあれ楽しかった倉敷工業高校芸術鑑賞会。このような機会を設けてくださったご担当のY先生をはじめ、M先生、Y先生、K先生、なにより温かい眼差しで私たちを受け入れてくださったN校長先生、その他多くの先生方や保護者の方々に心から御礼申し上げます。

そしてありがとう、ほんとうにありがとう倉敷工業高校のみなさん!

 

ところでこのブログを発見してくださった方は、ぜひ公演の感想や印象を書き込んでくださいね。生徒のみなさんの率直なご意見を教科書に、私たちも日々勉強しますから。それではまたお会いしましょう。

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