教師の「師」は師匠!?
2015年04月08日
ある留学生から、日本語の「師」と「士」の違いを尋ねられ、 即答に窮しました。元々日本語は、文語と口語が分かれてい て曖昧なものだし、単一の法則ってあるんでしょうか。
そこで調べてみますと、たとえば国家や公的な機関から資格 として法律で名称が定められている「師」には、教師、医師、 歯科医師、獣医師、看護師、薬剤師、美容師、調理師などが あり、あるいは資格の有無は問わずに、特定の技能を受け継 ぐ「師」には 漁師、猟師、仏師、能楽師・表具師、宣教師 などがあるようです。
一方同じく資格として法律で名称が定められている「士」に は、弁護士、公認会計士、税理士、不動産鑑定士、歯科衛生 士、介護福祉士、栄養士、消防士、気象予報士などがあり、 あるいは資格の有無を問わずに特定の技能をもつ「士」には、運転士、整備士、機関士、学士、修士、博士、それに相撲の力士などがありますよね。
どちらかと言うと「士」は幅広い意味で用いられ、「師」はその中でも伝統とか、より高い技能を持つ者に付ける傾向があるようです。また「師」は人に教え給うもの。すなわち「先生」と呼ばれる職業であり、「士」は専門技術の実務者。人に仕えるのではなく、その職に仕える者であるといえそうです。
ところで弊社が日ごろお世話になる教師、先生方に、こういう注釈がありました。教師とは、人間、とくに子ども,青少年を指導し,その発達を助け、促す人をいうと。なるほど。しかし学校制度発足前には教師の名称はなく,特殊技能を教授する人はすべて「師匠」と呼んで敬われていたということでした
ちなみに師匠とは、学問・武芸・芸術などを教える人。 習い事、稽古事を教える人。 落語家など芸人の先輩に対する敬称、なんですよね。
つまり教師って、人が生きてゆく上の方向を教えてくれる「師匠」なんですね。
小学校から高校まで、家族、友人とともに、そばにいてくれるのが教師、先生。 いくつになっても、教師は師匠。それも人生の師匠なんですね。ということは教えを乞う生徒はさしずめ「弟子」といったところでしょうか。
さあ新年度、新学期も始まりました。社会でも学校でも、新しい仲間が増えています。師匠は弟子を慈しみ、弟子は師匠を尊敬する。この美しい師弟関係を大切に、それぞれの道で頑張りましょう。
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