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芸術鑑賞会 鹿児島工業高校のみなさん、ありがとう!

2020年12月19日

最強寒波が日本列島を覆った12月17日(木)と18日(金)は鹿児島市の鹿児島県立鹿児島工業高等学校の芸術鑑賞、会場は同校体育館。

演目は「中国文化芸術夢公演」でした。

新型コロナウイルス対策として三密を防ぐために16日(水)の夕刻から仕込み作業。

17日(木)の午前中に仕込み点検、開演準備、リハーサル。

午後から1回公演。

翌18日(金)の午前と午後に2回公演。

あわせて2日間計3回の公演だった。

鹿児島工業高等学校では一昨年「モンゴルの風コンサート」を承っているから2年ぶりの受託となる。

2年前、第99回全国高校ラグビー大会(12月27日~1月7日・花園)鹿児島県大会。

鹿児島工業高等学校がみごと6年ぶりに優勝し13度目の花園出場を決めた。

ガムの都市伝説”1%の奇跡!をまた証明してくれたのである。

同校のシンボルで校内にそびえたつ文化庁登録有形文化財の大煙突が、今回も堂々と私たちを出迎えてくれた。

鹿児島工業高校のご担当は2年前と同じくI先生。

とても誠実でフランクな方である。

しかし折からの新型コロナウイルスの蔓延で、芸術鑑賞自体を開催するか否か、同校も判断に迷っておられた。

出口の見えないコロナ禍だから厄介なことこの上もない。

なんといっても生徒たちの安全が最優先。

その対策を万全にしながら、なおかつ想定外の事態にも対応できるように、I先生は思いを巡らせ大いに悩んでおられた。

しかしI先生の心の中に、高校生になったという誇りと責任を感じる間もない新1年生や、就職、進学と、学び舎を後にする3年生たちに、一つのけじめ、思い出として、この芸術鑑賞を開催してあげたいという思いが、強く渦巻いていたのは確かである。

実際に全国的にも卒業式や入学式の簡素化や、オープンキャンパスや修学旅行、はたまた文化祭や体育祭など、あらゆる行事が縮小、あるいは中止となった学校が多い。

仕方ないといえばそれまでだが、たとえばインターハイを終えて部活を引退する、あるいは諸行事の引継ぎを後輩に託して次のステップに進むと考えていた、とくに3年生たちの気持ちを考えるといたたまれなくなる。

そんな生徒たちの気持ちが痛いほどわかるからこそ、I先生をはじめ、他の先生方やご父兄の皆さんは、せめて芸術鑑賞だけでも…と、事態の推移と好転を辛抱強く見守っておられたのではないだろうか。

しかし月日は無情にもどんどん進む。その結果、

「I先生、結局、どうなさいます?」

と尋ねる私たちに

「うーん、もう少し様子をみましょう」。

逆に

「ガムさん、いつまでなら結論待ってくれますか?」。

賢明なI先生は全体を俯瞰しながら包括的に新型コロナウイルスの蔓延状況の推移を凝視しておられたのである。

それがわかるだけに私たちも開催可能リミットぎりぎりまで様子みましょうと応えざるを得なかったし、その間、I先生とはよく電話連絡を取り合ったが、お互いに忸怩たる思いを隠して、淡々とした会話に終始しながら、開催への希望を抱き続けたい気持ちは強く一致していた。

「もう日程からみてもリミットだよね。ガムさん、もう少し待って」。

「大丈夫ですよ、I先生。任せてください。ぎりぎりまで待ちますから」。

「悪いね。どうなるかわからないが結論出すからね」。

「I先生、よろしくお願いいたします」。

そして10月末、

「ガムさん、校長の決裁下りましたよ。やりましょう!」

のお言葉をいただいた。

ただし条件は付く。

もしコロナがまた蔓延しだしたら白紙に戻すこともありうる…。

もちろんそうでしょう。

生徒たちの安全が第一なんだから。

11月になって全国的にコロナ感染が再度の広がりを見せ始めた。

さてどうなることやら…。

しかし、ある点で私たちは安心もしていた。

それは悠然と構えて推移を冷静に俯瞰するI先生の的確なご判断を信頼していたからである。

12月に入ってI先生からお電話をいただいた。

「修学旅行、いつもの関西方面を中止し、屋久島、種子島へ生徒たちが出発しました」。

「それはよかったですね。生徒たちも嬉しいでしょう。なんといっても思い出が共有できるから」。

「ガムさん、芸術鑑賞、もうOKです。生徒たちのために予定通りお願いします。」

「ありがとうございます。お任せください。」

I先生は鹿児島の英雄・南洲翁の“命もいらず、名もいらず、官位も金もいらぬ…”のようなお方だった。

私たちは考えた。

ここまでコロナ禍と闘いながら、生徒たちのために粘り強く芸術鑑賞開催を希求したI先生のご心労とご期待に報いるためにも、今回は安定した中国雑技の人気技に京劇を入れよう、それも鹿児島では初めてのトップ役者による、いわばホンモノの京劇を生徒のみなさんにお観せしたい…。

こうしてプログラムは京劇中心の斬新なものとなったのである。

招聘した京劇役者は、瀋陽京劇団のトップ女優と北京京劇院の同じくトップ男優。

いま日本でホンモノの京劇を披露できる唯一の名優といっても過言ではない。

加えて生徒のみなさんに、より易しく、より深く、京劇を理解していただくために、スタッフにも難題を強いた。

女性司会者に新趣向のあらすじとナレーションをマスターしてもらい、PAにはプロジェクターをフル回転させて、映像とテロップづくりを担当してもらった。

そしてみなさんは、それを完璧にこなした。

「好!」

の掛け声が生徒のみなさんから発せられるたび、舞台に立つ役者と同じように、私たち裏方は裏方で、それぞれ心の中で大きくミエをきったものだ。

ちなみに演目は孫悟空大戦白骨精。

日本人にもお馴染み、孫悟空活劇モノの一種である。

ご承知のように京劇の舞台は、一つの机、一つの椅子だけで展開する、いわゆる一卓一机が原則。

舞台にないものは、役者が演技だけであたかもそこにあるようにみせるもの。

深山幽谷の不気味さ、妖怪・白骨精の醜さと凶暴さ、両者の激しい戦い、三蔵法師一行を護衛する孫悟空の大活躍…。

見せ場は次々と変わるのだが、生徒のみなさんはそれぞれの背景を想像しながら舞台を楽しんでいたようだ。

そして結局、戦いに勝ったのは孫悟空。

どんな時代でも必ず最後は“正義が勝つ”。

これは不変の原則なのである。

楽しかった鹿児島工業高等学校芸術鑑賞会。

このような機会を設けてくださったご担当のI先生をはじめ、開演前に、ご丁重なご挨拶を頂戴したM校長先生や多くの先生方、保護者の方々に心から御礼申し上げます。

そしてありがとう、ほんとうにありがとう鹿児島工業高等学校のみなさん!

ところでこのブログを発見してくださった方は、ぜひ公演の感想や印象を書き込んでくださいね。

生徒のみなさんの率直なご意見を教科書に、私たちも日々勉強しますから。

また㈱雅夢のフェイスブックもご参照ください。

この道一筋、まっすぐ、雅夢(がむ)しゃらに。

それではまたお会いしましょう。

“芸術鑑賞会 鹿児島工業高校のみなさん、ありがとう!” への4件のフィードバック

  1. Ken より:

    寒い中公演していただき有難うございました。芸術鑑賞ものすごく感動しました。僕は卒業して社会人になりますが、今日の感動を忘れずこれからもがんばっていきます。鹿工に来てくれてありがとう。

  2. ガムより より:

    Kenさんへ
    嬉しいコメントありがとうございます。寒かったですね、ホント(笑)
    でもとてもよい思い出になりました。どんな状況でもベストを尽くす。それがプロの証明。貴方の拍手はメンバーにしっかり届きましたよ。ありがとうございました。

  3. マルケン より:

    本当に感動しました。校長先生が「過去1番だ」と言っていた理由が良く分かりました。最高の思い出を作ってくださり、本当にありがとうございました。

  4. ガム より:

    マルケンさんへ
    嬉しいコメントありがとうございました。コロナ禍で学業はじめ諸行事が自粛、中止になり、高校生になった誇りと自覚があいまいになった1年生。学業や部活にさらに力を入れる矢先だった2年生。後輩に託し社会に進学に夢を拡げる予定の3年生。そんな生徒のみなさんに、少しでも楽しい思い出を作り残してあげたいと願う校長先生はじめ多くの先生方の強い熱意が実現させた芸術鑑賞でした。寒い中でしたが屹立する鹿工のシンボル・煙突の毅然とした姿に勇気をもらい、お手伝いできたことを光栄に思っています。こちらこそありがとうございました。

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