芸術鑑賞会・ありがとう!古賀竟成館高校のみなさん
2018年11月02日
10月31日(水)は福岡県公立古賀竟成館高等学校の芸術鑑賞公演でした。
古賀竟成館高校は、古賀市、福津市、新宮町の2市1町が組織する古賀高等学校組合が運営し、地域の人材を育成することを目的として創立された全国に3校しかない,組合立の公立高等学校です。
JR古賀駅から徒歩5分。
地の利がよく、途中には古賀市立図書館、その2階には古賀市立歴史資料館があり、休日や放課後などは読書をするもよし、古賀市の歴史を探索するもよしと、様々な教育環境を提供してくれていますし、瀟洒な建築の校舎で生徒のみなさんはのびのびと学校生活を満喫しています。
平成21年度に「古賀高等学校」から「古賀竟成館高等学校」と校名を改称しました。
ところで校名の「竟成(きょうせい)」は中国の後漢書の中の光武帝の言葉「志ある者は事竟に成る」が出典。
つまり志を持ち、夢、目標に向かって最後まであきらめないことが大切という意味。
とても素敵な校名だと思いました。
さて芸術鑑賞の作品は、アジアン芸術夢公演の中から「モンゴルの風コンサート」。
雄大なモンゴル大草原に思いをはせながら、たっぷりと馬頭琴の調べを楽しもうという企画です。
今回はそれに日本の伝統、津軽三味線の女性演奏家をコラボしてみました。
全ての準備を終えて開演。
初めて馬頭琴の生音を聴く生徒たちも多く、「草原のチェロ」の音色に酔いしれていました。
中でも生徒のみなさんとコラボした「スーホの白い馬」は懐かしかったようで、大きな興味を呼びました。
生徒会と放送文化部のみなさん3名と司会者が、馬頭琴の生演奏に合わせて朗読したのです。
スクリーンでは漫画仕立ての画像も流れています。
小学校の教科書で学習した、あのスーホの白い馬が出現したのですから、それももう大変な反響でした。
プログラムはモンゴルの伝統曲あり、日本のバラードあり、そしてモンゴル独特のホーミーの披露ありと、女性司会者の名調子で会場はモンゴル一色に染まりました。
そして日本から津軽三味線の登場。
若い女性が奏でる津軽三味線の演奏も珍しいのですが、彼女がご披露した「津軽あいや節」、「津軽じょんから節」の哀切のメロディーと、力強いバチ捌きにも大きな拍手が沸き上がりました。
もともと大陸に位置するモンゴル大草原で生まれた馬頭琴と、海に囲まれた島国日本の青森で生まれた津軽三味線。同じ弦楽器とはいえ、その音色も奏法もまったく違います。
しかし共通点はあるのです。
それは労働の厳しさ、生活環境の過酷さから生まれた楽器であるということではないでしょうか。
見渡す限り拡がるモンゴルの大草原。
青い空、白い雲の下、ヒツジは優雅に草を食み、遊牧民たちはノンビリと過ごしています、というのはごく一部分だけ。
実際はオオカミの攻撃と戦い、天変地異による凶作に喘ぎ、極度な冬の到来で日本では考えられない寒冷におののきながら生死の果てをさまよっているのです。
したがって遊牧の民たちが一日の労働を終えて、大草原の星空のもと馬乳酒を飲み交わし、馬頭琴の音色と手拍子に笑顔が出るのは最高の瞬間なのかもしれません。
津軽の地でもそうです。
実際は生活の困窮に泣き、その境遇を嘆きながらも、生きる糧を得るために各家を回って恵みを得る、いわゆる「門つけ」の生活。
雨風や豪雪の被害に喘ぎながらも生きる希望だけは捨てなかったのです…。
だからこそ、束の間の憩いに、三味線を取り出して皆で歌い、盛り上がりながら、明日に向かって生きる勇気を絞り出したのではないでしょうか…。
そんな観点や背景を想像しながら、生徒のみなさんにこのコンサートを楽しんでいただきたい。
鑑賞後の生徒のみなさんの心にきっと二人のアーティストが紡ぎだす独自の音世界が染みついたことでしょう。
それは生徒のみなさんが自問する「豊かさって何だろう?」という疑問にもつながるはずだ。
そんなことを期待しながら、私たちはこのコンサートを提案したのです。
もちろんご担当のY教頭先生は趣旨を充分くみ取ってくださり、本日の公演となりました。
このような機会を設けてくださったご担当のY教頭先生をはじめ、Y先生やF先生、そして終演後に出演者や司会者にお茶をふるまってくださったA校長先生、その他多くの先生方や保護者の方々に心から御礼申し上げます。
そしてありがとう、ほんとうにありがとう古賀竟成館高等学校のみなさん!
ところでこのブログを発見してくださった方は、ぜひ公演の感想や印象を書き込んでくださいね。
生徒のみなさんの率直なご意見を教科書に、私たちも日々勉強しますから。
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この道一筋、まっすぐ、雅夢(がむ)しゃらに。
それではまたお会いしましょう。
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