芸術鑑賞会・敬徳高等学校のみなさん、ありがとう!
2017年09月05日
9月2日(土)は佐賀県伊万里市にある学校法人伊万里学園敬徳高等学校の芸術鑑賞公演でした。
楽しい敬徳祭(文化祭)のゲスト出演。
演目は「中国文化芸術夢公演」です。
前日夕刻からの仕込み作業は、敬徳祭の準備をする生徒のみなさんと和気あいあいで進みました。
生徒のみなさんはニコニコ顔で楽しそう。逆に「お手伝いしますよ」と優しい声をかけてくれたり、「この機材すごいですね」と、多分、放送部の生徒でしょう、真剣なまなざしで見つめてくれたり、それは楽しい仕込み作業でした。
力自慢の運動部の生徒のみなさんが機材の搬入や搬出を手伝ってくれました。
ところで敬徳高校の創立は1964年。
そう、東京オリンピックの開催年に誕生しました。
校訓は和顔愛語(わげんあいご)。
「仏さまのように和やかな顔と思いやりの言葉で人に接し、相手の気持ちをいたわり、その人の望みのために、自分に何ができるかを考え寄り添う」。
親鸞聖人の御教えを基調とした敬徳高校の教育方針は、誠実にして明朗な、心の優しい人間を育てることにあり、それはすれ違う生徒のみなさん、一人、ひとりに連綿と受け継がれているなと感じました。
さて芸術鑑賞会「中国文化芸術夢公演」。
今回は中国雑技のパフォーマンスに、哀愁の響き・二胡の音色をお楽しみいただきました。
まず二胡の演奏では、初っ端から「江河水(こうがすい)」という名曲をお聴きいただきました。
江河水は、メロディーは質朴で、情緒は軽やかですが、時には暗く、重く、深い表現力が必要で、メリハリのある弓の運びと、泣き咽ぶような細かく震えるビブラートが特徴の名曲。
はっきり言って難解なこの曲を、敬徳高校のみなさんにはぜひ受け留めていただきたい思いがありました。
もちろんプロジェクター&スクリーンを駆使して、ご理解しやすいよう江河水の概略はテロップでもお楽しみいただきましたよ。
江河水は、中国東北部の特徴に富むメロディーを用い、 諸悪がはびこる旧社会にあっても、仲睦まじく暮らす 一組の夫婦を描いています。
ある日、夫は無実の罪で捕らえられ、労役を強要され、 虐待を受けて異郷の地で死んでしまいます。
報せを聞 いた妻は、悲しみ、憤り、愛する夫の後を追って命を 絶とうと思い、河辺で夫を送る葬儀の際、滔々たる 河の流れを前に、声を張り上げて泣き叫び、血と涙を もって、旧社会統治の大罪と理不尽さ訴えるのです…。
この曲は三部構成で、妻が夫の訃報に接し嘆き悲しむ 場面から、夫と二人で仲睦まじく過ごした頃を回想する場面を経て、再び現実に引き戻され、悲しみ、憤る ものの最後はなすすべもなく河辺を離れ、その痛々し い面影が、夜の闇の中に消えていくところで終わります。
この「江河水」の作曲家は黄海懐(こうかいかい)。
彼は1962年27歳で、この二胡独奏曲「江河水」を発表。
その後中国の音楽事業の発展に身を捧げたものの、1967年、文化大革命により無実の罪を被せられ、その5年後わずか32歳でこの世を去りました。
日本の指揮者・小澤征爾はこの曲に接して、
「人間の哀切を奏で、聴く者の胸を突き破るほど」
だといい、感極まって慟哭したという逸話を残しています。
中国二胡の十大名曲の一つといわれる江河水。
演奏家は気合が入り、生徒のみなさんは真剣なまなざしで受け止めてくれました。
この曲は、どんなに激動と暗黒の時代であっても、時の権力の驕りや理不尽さに人々は抵抗するし、その人々が守り抜く男女の愛の心は崇高で変わらないことを訴えたのです。
二胡の名曲江河水は、親鸞聖人の御教えである和顔愛語を尊ぶ敬徳高校の生徒のみなさんに深い感銘を与えたことでしょう。
ところで折からの敬徳祭。
前庭に張られたテントにはおいしいものがたくさん。
生徒のみなさんに先生方やご父兄のかたがた、それにご近所の方も交じり楽しかったですね。
私たちは鶏唐揚げやかき氷をパクつきました。
また開演前にはたくさんの清涼飲料水やお菓子をいただきました。
ケータリングはいりませんと申していたのに、ご用意いただいたお気配りに恐縮しながら感謝いっぱい。
出発前には「リポ00ン」1ダースを差し入れてくださいました。
「道中、お気を付けて!」
優しいK先生や敬徳高校のみなさんのお気持ちが心に沁みました。
中国雑技の驚きあり、笑いあり、そして二胡の感動あり。
敬徳高校の公演は、私たちにとっても嬉しく、楽しく、心に残る芸術鑑賞会でした。
楽しかった敬徳高校芸術鑑賞会。
このような機会を設けてくださったご担当のK先生やT先生をはじめ、T校長先生、そして多くの先生方や保護者の方々に心から御礼申し上げます。
そしてありがとう、ほんとうにありがとう敬徳高校のみなさん!
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