だから…ガム
2021年01月04日
公立文化施設で開催する自治体主催の自主文化事業公演は、主に有名な出演者を始め、今、流行りのアーティストなど実にバラエティ豊かなジャンルの作品を提供しており、地域社会の芸術文化向上と推進に貢献している。
それに対し高等学校の芸術鑑賞会は、おおむね3年間、劇団のオーソドックスな作品から創作ものやミュージカルを含めたあらゆる演劇。
クラシックやジャズ、ゴスペルやアカペラなどの音楽。
落語や能、狂言、歌舞伎、和太鼓などの古典芸能の3つのサイクルで回っている。したがって多くの同業他社は、
「どのジャンルもできます。すべてOK、任せてください」。
という営業を展開、熾烈な受注合戦をするらしい。
まるで何でもあるショッピングモール。
かたや“中国やアジア”に固執する弊社は誠に異端。
いわば野菜や魚の取扱い専業店。
ただし、大根一本とっても、鮮度よく、価格も安く、産地情報から料理方法、果ては食した後の感想、満足感など、一切を熟知している専門家。
「中国やアジアものならガムさん」
おかげさまでそれを了とする学校の先生方や自治体自主事業担当者も増えた。
ありがたいことである。
ともあれ、たとえば実際に同業他社のパンフレットを拝見すると、有名、無名の和洋出演者を始め、歯の浮きそうな修飾語のオンパレード。
実に綺麗で豪華で大仰?である。
それに比べ弊社は、頑なに中国やアジアの芸能や音楽ばかり。
誠に異端で偏屈ともいえそうであるが、それを指摘されると、
「専業ですから…」とうそぶき、
「不器用ですから…」と頭を下げる。
しかしオールラウンドに、どの分野でも受注できなくても、恥とはまったく思わず、むしろ専業であることに誇りを感じているのだ。
つまりこの分野では他社に絶対引けを取らない見識とキャリアをもっていることの大きな自信。
そのため公演のメンバー構成をはじめ作品内容や公演効果に神経をとがらせる。
すなわち、お客様(主催者)の要望を最大限採り入れつつ、どこもができない独自のキャスティングと、弊社ならではのポリシーを活かした作品作りが、その拠り所なのだ。
こうして、この道一筋30年を優に超えた。
生徒や市民のみなさんに伝えたい集中力、バランス感覚、精神力の大切さや、異文化の理解と尊重、共生と平和の大切さを作品の骨組みとし、今後もメッセージとして上演中にさりげない表現ながら、私たちの思いをお客様にお伝えしてゆく。
ただ楽しいだけではつまらない。
感動と感激と感慨に深い厚みがなければならないのだ。
オーバーにいえば、まるで“坂の上の雲”を見つめるように、前だけ見ながら愚直に頑なに一筋の道を信じて歩み続けるだけ。
目の前に浮かぶ白い雲は夢や目標。
私たちの作品を鑑賞することで、坂を上り、白い雲を目指すみなさんの
気づきや確認を促し、微力ながらその後押しをさせていただく。
「だから…ガム」なのである。
こんな私たちですが、本年もまた愚直に頑なに歩みだす。
世の中コロナ禍で大変ですが、引き続きご支援のほど、どうぞよろしくお願いいたします。
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