美と道
2019年05月24日
かのラフカディオ・ハーン(小泉八雲)は言った。
「日本人には素晴らしい精神がある。それは過剰な贅沢と浪費を慎み、他を思いやる心をもち、くわえて善良で純朴を愛し、親切で礼儀正しい生き方である」と。
つまり、経済的に豊かになれば、求めるようになる物質的な欲望は果てしなく、 次々と装飾を加えた豪華絢爛な「美」に目がくらんでしまうのに対して、ハーンの見抜いた日本人の本質は、それらをいわば削いでいったシンプルな「美」にこそ価値を見出し、追求するようになるのである。
いうまでもなく、日本の美や芸術は、削いでいった感性を大切にする。
いわば素材の魅力に最大限の関心をはらうのである。
またそこに至る所作こそ大切にするのである。
それが「道」。
剣でも弓でも柔でも茶でも花でも、あらゆる精神文化に、日本人は必ず「道」を追求する。
弊社も追求する。
大仰な装飾やあふれる原色と目も眩むレーザー光線や大迫力の音響装置。ショービジネスの最たる演出を削ぎ落し、排除したシンプルさで、出演者本来の能力を最大限に発揮できるシチュエーションを考える。
キラリと光る真の実力をこそ大切にしたいのである。
そこにこそ人が、もとい日本人が感動するドラマが生まれるのだ。
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