芸術鑑賞・島原高校のみなさん、ありがとう!
2013年11月05日
高等学校の芸術鑑賞だった。
島原高校は創立113周年を迎える名門校。
政官財界に逸材を多く輩出しており、現長崎
県知事も同校の出身である。
校是は「文武両道」。
育てたい生徒像としては、
① 信頼に足る品格を備え、他を思いやること
ができる心豊かな生徒。
② 志高く、リーダーとしてふさわしい知性と
理性を身に着けた生徒。
まさに旧制中学校を前身に持つ名門校にふさわしい教育理念である。
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長崎県や広島県は原爆被災県として、とくに平和教育に力を入れているが、同校でも毎年8月9日の原爆記念日に、全校生徒が集まり平和学習会を開いている。原爆投下時間の11時2分、全校生徒が黙祷を捧げ、平和宣言を行う。被爆された方々、および過去の大戦で犠牲に遭われた多数の方々を追悼し、平和の意味を真摯に考え直す機会をもっているのだ。
余談だが、弊社の所在地である福岡県北九州市に、当初原爆は投下される予定だったらしい。ところが雲行きが怪しくて、第2候補の長崎市へ投下したということである。その事実を知った私たちもまた、8月11日には敬虔な追悼の祈りを会社で行っている。祈るのはただ一つ、世界の「平和」だ。
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この上演で、私たちが究極にお伝えしたいテーマは、同じく
「平和」である。
言葉や慣習は違っても、音楽は鑑賞すればわかる。
「なぜこの国の人々は、この音楽を大切に守り抜き、暮らし
ているんだろうか?」そんな疑問からスタートし、やがて異なる文化を理解し、それを正しく尊重し、共生する心を育てれば、島原高校の育てたい生徒像にあるように、他を思いやることができる心豊かな人格となり、ひいては平和を求め、志高い人間性を醸成することになるのではないか?などと、勝手な思い込みを抱いてしまう。それほど島原高校の先生方や生徒さんには伝統に裏打ちされた風格を感じたものでした。
さて開演です。礼儀正しいとはいえ島原高校の生徒
さんたちはとても明るいのです。
オープニングは出演者全員で演奏する「まつり」。
この曲は、出演者が初めて日本に来て、経験した
日本の祭りのリズムを下地にして作曲したもの。
軽快なリズムに、早くも生徒のみなさんから手拍子
が沸き起こりました。続いては「ソルチャンゴ」。
今度は韓国のチャンゴの名手2名が、渾身の情熱で
ソウル(魂)ミュージックを聴かせます。
4曲目に登場した「波」は、海のないネパールから
日本に来て、初めて海を見たときの驚きと感動、そ
してリズムを刻む波に思いをはせた曲。
2001年9月11日のアメリカ同時多発テロ発生で、混乱したアメリカ市民がこの曲を聴いていやされ、涙が止まらなかったという逸話をもつ作品である。
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こうして感動あり、笑いあり、手拍子ありの楽しい進行で、島原高校の芸術鑑賞会は終了した。
終了後、後片付けをしていた私たちに、「あのー、『ウゥーの人』、いませんか?」と、女生徒2名が声をかけてきた。
彼女たちが興味をもった『ウゥーの人』とは、モンゴルのホーミーを披露した馬頭琴演奏家である。ホーミーは世界無形文化遺産にも登録されたモンゴル独特ののど歌であり、今回は舞台で男子生徒2名と交流しながら、そのホーミーを披露した。なぜ男子生徒かというと体の構造から、ホーミーを女性が行うのは難しいからである。しかし女生徒たちは興味をもったようだ。
楽屋に案内してさっそくホーミー教室?が始まった。のど仏の有無のように、女性にホーミーは難しいと伝えているのだが、そこはチャレンジ精神旺盛な女生徒たち、練習に一生懸命である。この進取の精神が島原高校の伝統なんだと思ったし、可愛い彼女たちはこの経験を通して、将来は間違いなく国際交流のリーダーになると感じた。
進学校として受験勉強にまい進する島原高校のみなさんだが、今日の芸術鑑賞を通して平和の恒久維持のためバトンをつないでほしいと願ったものである。
楽しかった島原高校芸術鑑賞会。このような機会を設けてくださったご担当の先生方に心から御礼申し上げます。
そしてありがとう、ほんとうにありがとう島原高校のみなさん!
ところでこのブログを発見してくださった方は、
ぜひ公演の感想や印象を書き込んでくださいね。生徒のみなさんの率直なご意見を教科書に、私たちも日々勉強しますから。
それではまたお会いしましょう。
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