芸術鑑賞会 豊国学園高等学校のみなさん、ありがとう!
2025年06月17日
昨年6月、12年ぶりに2回目の「中国文化芸術夢公演」を開催させていただいた豊国学園高等学校。
全てが終わり、後日御礼へ伺った際に、「ウチのもう一つの柱が「アジアン芸術夢公演」。
音楽の公演ですが、またご検討ください」と、ご担当のN先生にお願いしていました。
もし実現すれば、その間の音楽コンサートなどを入れると、同校では計5回目の公演受託となります。
豊国学園高校は市内門司区の風光明媚な高台にあり、明治45年(1912年)に創立された、今年で113年目を迎える市内でもっとも古い歴史をもつ私学の伝統校。
ご担当のN先生はじめ、とくにN教頭先生など、時おり原則に厳しいお顔は垣間見られるものの、日ごろはとてもご親切で実に前向きな先生方ばかり。
私どもにとっても好感持てる素敵な学校のひとつです。
そんな豊国学園高等学校芸術鑑賞会、さすがに2年続けて5回目の公演受託はないかもしれないと思っていましたが、N先生にご相談したところ、前向きに検討しようとおっしゃってくださいました。
嬉しかったですね。
中国やアジアとの友好を趣旨とした私どものこだわりをN先生はおおらかなまなざしで認めてくれていたのです。
こうしてアジアン芸術夢公演は会場も昨年と同じ北九州芸術劇場で開催されることになったのです。
公演では、ネパール、韓国、中国、モンゴル。
アジア4か国のトップミュージシャンを招聘して、生徒のみなさんに知っているようで実は知らないアジアの音楽や民族楽器の音色を楽しんでいただきました。
公演の構成でスポットを当てたのがネパール。
世界最貧国の1つであるネパール。
ヒマラヤ山脈のふもとに広がるこの国で、こんなすばらしい音楽があるなんて、生徒のみなさんは驚いたことでしょう。
出演者Pが奏でるバンスリという北インド発祥の竹笛。
この竹笛が西に伝わりヨーロッパで改良されたのがフルートでありピッコロ。
南を海沿いに伝わり、終着の日本で根付いたのが篠笛であり尺八。
アジアはまさに竹の文化なんですね。
また草原のチェロといわれるモンゴルの馬頭琴。
これをヨーロッパに持ち帰り、広めたのはかのマルコポーロ。

東方見聞録には、モンゴル人が建てた元の都を訪れたマルコポーロが、1291年に帰国する際に馬頭琴を故国イタリアに持ち帰ったと記録されています。
ヨーロッパでバイオリンやチェロが誕生したのは、なんとその約300年後のことでした。
ところで数の数え方。1,2,3,4を英語でいうと、ワン、ツー、スリー、フォー。
中国語ではイー、アール、サン、スー。
たぶん日本の高校生の多くは、これぐらいは知っているに違いありません。
それでは韓国語では?
案外答えられないのではないでしょうか。
韓国と日本はこんなに近いのに不思議です。
さらにモンゴル語やネパール語となると、たぶんチンプンカンプン。
強制はしませんが、数の数え方を手始めに覚えておくと国際的にも友人が早くできると思いますね。
私たちのアジアン芸術夢公演。
生徒のみなさんにアジアに興味を持っていただきたいという思いもあるのです。
ちなみに韓国語の数の数え方は、1~5まで1はハナ、2はドゥル、3はセッ、4はネッ、5はタソッ、と数えますよ。
最初の1はハナ。
日本でも最初からのことを“ハナから”っていいませんか?
さあ、アジアン芸術夢公演。
定刻どおり生徒のみなさんが入場してきました。
アジアン芸術夢公演って何を観せてくれるのか、実はこういうメンバーが演奏するのだろうってことを生徒のみなさんは知っています。
それは約2か月前にお配りしたA3のポスターを各教室や職員室や図書館に掲示していたから。
そうです。
事前にお知らせしたアジアのトップアーティストの出演を、生徒のみなさんは心待ちにしてくれました。
オ―プニングはネパールから。
出演者Pが作曲したその名も「ヒマラヤ」という名曲。
バンスリが奏でる鳥たちたちの鳴き声が響き、雄大なヒマラヤ山脈の映像が流れます。
そして代表して参加してくれた生徒のみなさんがマーダルというヤギ皮太鼓を合奏しました。
「レッサンフィリリ」では会場のみなさんとご一緒に楽しみました。
このレッサンフィリリは以前にNHKみんなの歌でも採り上げられたネパール人なら誰でも知ってる国民歌。
ちなみにレッサンフィリリとは”絹のサリーがひらひら飛んだ”という意味で、この風に乗ってサリーのように飛んで恋しい人に会いたいとか、厳しい峰をめざすヒマラヤ登山家の足の運びを一歩一歩励ます歌でもあるんですよ。
笑顔あふれる交流でした。

また時おりどよめきと拍手と歓声が会場内に響いたこの公演。
「ランバダパーティ」ではなんと男子生徒数名が勇気だして舞台に上がり一緒に踊って楽しんでくれました。
それでいいんですよ。
もちろん私たちは大歓迎。
だって音楽って音を楽しむって書くんですもの。
飛び入り諸君の踊りの所作もみんな違ってみんないい。
自由に、あくまで自由に。
それでいいんですよ。
私たちのコンセプト、大袈裟に言っていいですか?
Asia is One・アジアは一つ、なんですから。
終演後生徒のみなさんは、私たちの繰り出すメッセージに大きくうなずき、確かな“手ごたえ”をお土産にしたようです。
すなわち、楽器も、リズムも、曲の背景もそれぞれ全く違うアジアの音楽ですが、眼を閉じて聴くと、懐かしいような、どこかで聴いたような気分になったでしょう。
たぶんアジアの音楽が、古来から、北から西から南からこの日本に流れ着き、この地でアレンジされ、昇華されて、日本独特の音楽を形成していったのでしょう。
まずは今まで知らなかったアジアの音楽を聴いて理解し、それを尊重しながら、共生する道をアジアの友人たちと一緒に求める。
それは平和への近道でもあるんですね。
楽しかった豊国学園高等学校芸術鑑賞会。
このような機会を設けてくださったご担当のN先生や陰ながら開催に向けて支えてくださったN教頭先生やその他多くの先生方、保護者の方々に心から御礼申し上げます。
そしてありがとう、ほんとうにありがとう、豊国学園高等学校のみなさん!
ところでこのブログを発見してくださった方は、ぜひ公演の感想や印象を書き込んでくださいね。
生徒のみなさんの率直なご意見を教科書に、私たちも日々勉強しますから。
また㈱雅夢のフェイスブックもご参照ください。
この道一筋、まっすぐ、雅夢(がむ)しゃらに。
それではまたお会いしましょう。
去年は中国雑技でびっくりしましたが今年はアジアの音楽で感動しました。アジアの音楽っていいですね。太鼓のネパールの人の笑顔が印象に残っています。よろしくお伝えください。また聴きたいです。
mmmiyako 様
ありがとうございます。お楽しみいただけたようで私たちも嬉しいです。あの太鼓、タブラ奏者はサラワン・ラマさんで、笛を吹いていたパンチャ・ラマさんの実弟ですよ。彼は兄の援助を受けてネパールの国立音楽大学を卒業し、今ではタブラ奏者の名手として世界でも有名です。今後ともぜひ応援してくださいね。あなたはもちろん、世界中の人々が音楽を通して友人となり、お互いに援けあう世の中をめざしましょう。