芸術鑑賞・二胡の名曲・江河水(こうがすい)
2014年07月17日
中国民族楽器・二胡の作品に、十大名曲の一つといわれる 「江河水」という曲がある。中国東北部の特徴に富むメロ ディーを用い、諸悪がはびこる旧社会にあっても仲睦まじ く暮らす一組の夫婦を描いた作品だ。
ある日、夫は無実の罪で捕らえられ、厳しい労役を強要さ れ、虐待を受けて異郷の地で死んでしまう。報せを聞いた 妻は悲しみ、憤り、愛する夫の後を追って命を絶とうと思 い、河辺で夫を送る葬儀の際、滔々たる河の流れを前に、 声を張り上げて泣き叫び、血と涙をもって、旧社会統治の 大罪と理不尽さを訴える…。
この曲は三部構成で、妻が夫の訃報に接し嘆き悲しむ場面 から、夫と二人で仲睦まじく過ごした頃を回想する場面を 経て、再び現実に引き戻され、悲しみ、憤るものの最後は なすすべもなく河辺を離れ、その痛々しい面影が夜の闇の なかに消えていくところで終る。
この「江河水」の作曲家は黄海懐(こう・かいかい)。 彼は1962年、弱冠27歳で、この二胡独奏曲「江河水」を発表。 その後中国の音楽事業の発展に身を捧げたものの、1967年、文化大革命により無実の罪を着せられ、作品発表から5年後わずか32歳でこの世を去った。 日本の指揮者・小澤征爾はこの曲に接して、「人間の哀切を奏で、聴く者の胸を突き破るほどだ」といい、感極まって慟哭したという逸話を残している。
弊社は、二胡コンサートのプログラムに必ずこの曲をエントリーする。8月に福岡市で開催されるコンサートでは前半のシメにこの曲を選んだ。 二胡の名曲「江河水」。ぜひ聴いていただきたい。
[…] 私はこちらのブログを参考にさせて頂きました。 […]
i今気が付きました。遅くなりすみません。日中の文化交流のためお互いに頑張りましょう。