大岡越前守
2017年03月13日
ふたりの女がひとりの子をめぐり、
「自分こそこの子の本当の母親」
と訴えた。
大岡越前は
「ならば左右から子の腕を持て。力いっぱい引き合って勝ったほうを実母とする」
女たちは子供の腕をおもいきり引っぱりはじめたが、子供が痛がって泣くので、一方の女が思わず手を放した。
そこで大岡越前は言った。
「本当の母親なら子を思うものである。痛がって泣いているのに、なおも引く者がなぜ母親であろうか」
営業の世界でも同じようなことがある。
相見積もりを提出し、査定会議に載った。
一方は、あれも、これもできる、他社とは違うと自社の優位性を大宣伝。
一方は、できないものを伝え、その他は責任もって真摯に行うと伝えた。
結果は、控えめな発言に終始した後社に決まった。
なぜか?
担当者の人間性、いわば正直さと、内容への自信。
なにより他社を誹謗中傷しない方針が受け入れられたのである。
取引先には大岡越前のような方がたくさんいる、と思う。
この頃弊社におとずれたエピソードである。
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