芸術鑑賞会・ありがとう、必由館高等学校のみなさん!
2025年11月19日
秋が深まった11月5日(水)は熊本市立必由館高等学校の芸術鑑賞、演目は同じく「中国文化芸術夢公演」でした。会場は真新しい体育館。というのも2016年の熊本大地震で必由館高校の体育館は全壊。その後はコロナ禍などもあり、ようやく全行事がフル活動できるようになったのです。ご担当のT先生にご連絡を取り、舞台進行者のGとともに前もって体育館視察を行いました。体育館アリーナは2Fですが1Fからはスロープ状の通路が続いていて、これは自然災害などの際に体育館は地域住民の避難場所となるためで、車いすなどの高齢者を想定したもの。ついでに冷暖房も充実すればよいのにと軽口をたたくと、市の予算がそこまで伴わなかったのでしょうとT先生に一蹴されました(笑)。ただこのスロープは搬出入が便利と舞台進行者Gは喜んでいましたけど。
必由館高等学校の略称は「ひつゆ」。校名「必由館」の由来はこの地に、米田(こめだ)家子弟教育の家塾「必由堂」があったことから。校地内には米田家別館の庭園として1670年(寛文10年)ころに作庭されたといわれる「採釣園」(さいちょうえん)や米田家旧邸宅、現校名の由来になった「必由堂跡」、必由堂で学び明治期に活躍した政治家であり法制官僚「明治国家形成のグランドデザイナー」とも呼ばれる井上毅の生誕地碑があります。井上毅は、大日本帝国憲法や教育勅語など、近代日本の基盤を築く多くの文書の起草に携わり、日本の未来を形作った人物として高名。必由館高校は2011年(平成23年)に創立100周年を迎えました。
熊本市内には市立高校として千原台高校と必由館高校がありますが、千原台高校では2年前の2023年にやはり芸術鑑賞で中国文化芸術夢公演をご採用いただきました。この時はガムのもつ”1%の奇跡“をぜひ女子駅伝部にも浸透させたいという願いがありましたが、その後女子駅伝部は以後熊本県代表として都大路で順調に推移しています。今回の必由館高校。
必由館といえば22年前夏の甲子園高校野球大会に熊本県代表として初出場した記憶があり、野球部はもちろん、陸上部やバスケットボール部など運動部もがんばっていますが、特色あるのが文化部。書道部や美術部や放送部などの活躍も見逃せません。珍しいところでは和装文化部や和太鼓部。けっこう優秀なんです。生徒のみなさんがのびのびと学園生活を満喫している必由館ですが、運動部、文化部ともに、今後ますます要注目の学校なのです。
さて芸術鑑賞公演は、生徒のみなさんの入場がスムースに運びご担当のT先生と協議して定刻を7分早めて開演しました。開演が速くなるということは生徒のみなさんが公演を待ち望んでいるということ。やがてオープニングのテーマ曲が流れると生徒のみなさんは手拍子や歓声でのっけからノリ出すのですが、今回はわりと静かな出だしでした。時おりあります。それはなぜか?
事前にお配りするポスター効果もあり、作品の大要は伝わっているのですが、中には真面目で素直な生徒さんが多い学校ほど初めは期待度が高すぎて観客としてどう対応したらいいかわからないことがあるのです。それも必由館高校では初めて上演する中国文化芸術夢公演。生徒のみなさんも最初は戸惑いますよね。
たとえばクラシック。のっけから手拍子を繰り出すことはないでしょう。たとえば演劇。作品にもよりますが、観客はこれから始まるストーリーを想像することから始まります。対して中国雑技。この雑技の技は「起承転結」で構成されています。すなわち、出演者が舞台に登場、技のさわりが始まり、観客が想像する次の技へ昇華していき、次にアッと驚く思いかけない大技へ転換し、終息に向けて物語を完結させる。つまり、出演者の一人一人がそれぞれの技を通して、それぞれの”宇宙”を形成しているのです。しかも、それぞれが繰り出す持ち技は決して他人が真似できない奥深いもの。この技の完成のために目の前の出演者はいったい何年、何十年苦労して頑張ったんだろうか?きっと厳しい訓練を日々重ねたに違いない…。そんな感慨が観客のみなさんの大きな拍手を呼び起こすのですよ。
またMCをはじめPAや出演メンバーたちも連日の公演で疲れがたまっていたのかもしれません。そんな微妙なズレが時として観客の反応を鈍らせることもあるのですが、私たちは何も心配していませんでした。たぶんプログラムの3番目あたりからリズムが合いだしノリ出すから。ヨミ通りでしたね。生徒のみなさんは大いにノリ出しました。後は流れにお任せ。出演メンバーの繰り出す技と生徒のみなさんの手拍子や歓声がマッチしたいつもの公演風景となりました。終演後の夜、さっそくT先生からアンケート回答がFAXで送られてきました。もちろんお褒めのお言葉と10点満点。嬉しいですね。
楽しかった必由館高等学校芸術鑑賞会。
このような機会を設けてくださったご担当のT先生をはじめ、多くの先生方、保護者の方々に心から御礼申し上げます。
そしてありがとう、ほんとうにありがとう、熊本市立必由館高等学校のみなさん!ところでこのブログを発見してくださった方は、ぜひ公演の感想や印象を書き込んでくださいね。
生徒のみなさんの率直なご意見を教科書に、私たちも日々勉強しますから。
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この道一筋、まっすぐ、雅夢(がむ)しゃらに。
それではまたお会いしましょう。

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