芸術鑑賞会・ありがとう、濟々黌高等学校のみなさん!
2025年11月14日
10月22日(水)は熊本県立濟々黌高等学校の芸術鑑賞、演目は「中国文化芸術夢公演」でした。濟々黌高等学校は熊本屈指の伝統を誇る名門校で偏差値73。偏差値74の熊本高等学校とは1,2位を争うライバル校としてともにしのぎを削っています。この芸術鑑賞公演、昨年はその熊本高校でご採用いただき、フィナーレでなんと生徒のみなさん方によるスタンディングオベーションの波が続きました。鳴りやまない拍手に私たちもびっくりするやら嬉しいやら。さあ、濟々黌のみなさんは、今年はどんなアクションをくださるのか、私たちも興味津々です。
セイセイコウ(濟々黌)やクマタカ(熊本高校の愛称)の卒業生のほとんどが大学に進学。卒業後は中央や海外をはじめ、九州、熊本の政界、官界、経済界を背負うようになります。いわば、これから“偉く”なってゆくみなさんの心に、ぜひ残してもらいたいものがあるのです。
いま、みなさんが鑑賞した中国雑技のスペシャリストたちは、大学はおろか、早い人で5,6歳から親元を離れ、雑技団の寄宿舎に入り、基本学習とともに厳しい訓練に耐えながら「芸」を磨きます。親元に帰れるのは春節(旧正月)の一時期にあるかどうか。子どもだから、泣いたり、寂しかったり幾度経験したことでしょう。そんな生活なのに、なぜ厳しく苦しい訓練に耐えるのでしょうか?それは頑張って成功することで故郷の両親や親戚の生活を楽にしてあげたい。自分が故郷を離れる際になけなしの餞別をくれ、激励してくれた友だちや部落の人たちに恩返しがしたい。なにより一芸を身につけて世界中をこの芸で魅了したいと思うからなのです。
いわば「利他の心」。
利他とは自分のことよりも他人の幸福を思いやることで、すべての人が生きやすくなる社会の実現をめざすこと…。これから社会の中枢を担うべく努力する濟々黌の生徒のみなさんも、完成させた一芸に生きる雑技団のみなさんも、それぞれが選ぶ手法は違っても願いは一緒なんですね。つまり人のために尽くし、人を喜ばせることで、みなが幸せになれたらいい。これが中国雑技のスペシャリストたちの本音なのです。
客席の生徒のみなさんは、楽しい、凄いという感想から、なぜ厳しい訓練に耐えるのだろう?という疑問を持ちますが、やがて道は違っても自分も努力を重ねだんだん厳しい道を進まなければと考えるようになります。やはり、課題を前にしての集中力と物事を判断する際のバランス感覚が大切なんだと確信してくれるようになります。そして日本と中国2千年の交流に思いをはせるのです。阿部仲麻呂も空海も鑑真も孫文も内山鑑三も信念を抱き日本と中国に文化交流の橋を懸けました。その生きざまに思いをはせましょう。このメッセージが中国文化芸術夢公演。
さあ、がらんとした会場に濟々黌の生徒のみなさんが続々と入場してきました。会場は昨年のクマタカ(熊本高校)と同じ熊本県立劇場コンサートホール。粛々と開会行事を終えて…、いえ、いえ、着席時からマイクを片手に先生方や生徒会が行う、いわゆる全体指導なんていっさいありませんでした。濟々黌ではすべての行事を生徒の自主性に任せているのです。ご担当のN先生がおっしゃったとおり定刻5分前にはすべての生徒たちが揃い開演を待ってくれました。そして定刻に開演。舞台進行Gの合図でオープニング曲が流れだすと、一気に歓声と手拍子が上がりましたね。奇声でも、嬌声でもなく、まさに怒涛のように押し寄せる大歓声。生徒のみなさんはこの公演を楽しみにしてくれていたのです。この瞬間舞台袖では感極まってつい目頭をおさえるスタッフもいましたよ。やがて緞帳前に登場した司会者Mのご挨拶で歓迎の波は二度目を迎え、緞帳が上がって演目が始まると三度目の大波が押し寄せてきました。
昨年の熊本県立劇場コンサートホールでのクマタカ公演。終演後、ご担当のY先生とがっちり握手しながら感想を承ったことを思いだしました。
「この時期、生徒は大学受験勉強でぴりぴりしている。息抜きと言っては貴社に失礼だが、この瞬間を生徒たちは待ち望んでいた。これでさらに目標に向かって邁進するだろう。ガムさん、ありがとう」
今回セイセイコウのご担当N先生も同じことをおっしゃった。
「これで受験生活がリフレッシュし、メリハリがついて、さらに生徒たちは目標に向かって気合を入れ直すに違いない。ガムさん、ありがとう」」
いやはや、終始とても盛り上がった公演でした。終演後は花束をくれた生徒代表と、帰り支度を始めた客席のみなさんをバックに、サプライズで記念写真を撮りましたよ。
楽しかった濟々黌高等学校芸術鑑賞会。
このような機会を設けてくださったご担当のN先生やT先生、ご丁寧に舞台袖にお越しいただきごあいさつを頂戴したS校長先生をはじめ、多くの先生方、保護者の方々に心から御礼申し上げます。
そしてありがとう、ほんとうにありがとう濟々黌高等学校のみなさん!
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生徒のみなさんの率直なご意見を教科書に、私たちも日々勉強しますから。
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この道一筋、まっすぐ、雅夢(がむ)しゃらに。
それではまたお会いしましょう。



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